彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました

「え!」

僕は、広瀬に視線を移して驚きの声を小さく口から漏らした。

「それって、さっきの神社の話の続き?」

「うん、そう」

彼女は僕に視線を移して、首を縦に振った。

「う〜ん、休みがもっとほしいとか、この世から野菜が消えてほしい、とかかな?」

僕は細い腕を組んで、自分の願望を口にした。

「え、そんな小さな願いなの?」

僕の願望を聞いて、つぼみは目を丸くして驚いた。

「僕にとって、この二つはとても大きな願いだよ」

「でも、神様がいたと仮定して、願いをなんでも叶えてくれるのだとしたら、その願いはもったいなくない?」

わずかに細い首をかしげて、つぼみはあごに人差し指を当てた。

「もし神様がいたと考えたとしても、大きな願いを叶えてもらおうと思ったら、すごく神社にお金を納めないといけない気がする」

僕は、考え込むような表情を浮かべて言った。