彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました

「え、死ぬ………」

僕の開いた口から出た声は、かすれていた。

ーーーーーーたしかにここで一緒に死んだら、つぼみとずっと一緒にいられるかもしれない。けれど僕は、この感情のある生きた世界でつぼみと一緒にいたい。

そう思って右に視線を移すと、青くて広大な海が僕たち二人を飲み込むように波がおそっているように思えて怖く感じた。

「つぼみの嫌なことって、もしかして………転校?」

「わかってたんだ」

僕の問いかけに、つぼみは苦笑いを浮かべた。

「だから、海に来たの。転校したくないから。願と別れたくないから。だってこんなに願のことが好きなのに、転校で別れるなんて嫌だから」

そう言ってつぼみが白い砂浜を蹴って、僕の方に向かって走ってきた。走っている途中、かぶっていた白色のつば広帽子がつぼみの頭から落ちた。

「好きだよ、願」

つぼみは僕の胸に飛びついて、白い頬を少し赤くして言った。

ーーーーーードクッ。

つぼみの口からかすかに聞こえた、〝好きだよ〟という四文字の言葉が僕の心に切なく響いた。