彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました

「それより、二人こそなんで神社に来たの?」

怪訝そうな表情を浮かべて、つぼみは僕たちの顔を交互に見て言った。

「願が、『神社で今日の朝礼をサボろう』って言ったんだよ。だから、神社に来たんだ」

尊人が僕に視線を移して、さっき二人で会話していたことをつぼみに説明した。

「そうなの、神宮君?」

それを聞いて、つぼみは僕に視線を移した。

「あ、うん」

僕は、こくりとうなずいた。

「朝礼、きらいなの?」

なぜか急に彼女が心配そうな顔でそう訊いたので、僕の口から「え!」と驚きの声が自然と出た。

「きらいじゃないけど、話が長いから。めんどくさいんだよ」

僕の口から出た言葉は、言い訳っぽかった。

「そうだよね。私も、めんどくさいって思うときがある」

明るい声で言って、つぼみは微笑んだ。そして、すぐに神社に視線を移した。

彼女と同じ気持ちだったことはうれしいが、僕と違ってまじめなつぼみの口からそんな言葉が出たことに不思議に感じた。