彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました

「広瀬、もうすぐ着くぞ」

寝ている彼女の体をやさしく揺らして、僕はもう一度声をかけた。

「ん」

僕の声が聞こえたのか、つぼみはまだ眠たそうな目をこすりながら起きた。

「広瀬、着いたぞ。窓から、海が見えるぞ」

そう言って僕は、窓に指をさした。

「え、ほんと!」

僕の言葉を聞いて、つぼみは一気に目をさました。そして、窓の外に視線を向けた。

「ほんと、きれい」

バスの窓から見えた海の景色を見て、つぼみはうっとりした表情を浮かべた。



「やっぱり、外はすごく暑いねぇ」

海の近くのバス停で降りて、つぼみは額に手をかざして言った。

冷房が効いていたバスから降りると、うだるような暑さが僕を襲った。

「願君、見て。海がきれいだよ」

つぼみが指さした方向に視線を向けると、バスの窓から見たときよりも、あざやかな青い海が僕の瞳に映った。それと同時に青い海の上を飛んでいるカモメや、白い砂浜が見える。