「おそかったね」
「ほんとうに……待ってたんだね」
夕陽に照らせた彼女の姿を見て、僕は驚いた顔を浮かべた。
尊人と会話をしたあと、僕は学校の外に出た。学校の外に出ると、つぼみが僕のことを待っていた。
「私のこと、信じてなかったの?」
胸の前に右手を置いて、つぼみが不満そうな顔で僕に訊いた。
「いや、そういうわけじゃないんだけど………」
僕は、困ったような顔を浮かべた。
つぼみは外で待ってると言ったが、あれから十分以上も経過していた。つまり僕は、十分以上も彼女を待たせていたことになる。
「ごめん」
「いいよ、帰ろう」
口元をゆるめて、つぼみは自転車を押しながら帰り道をたどる。僕も、それに続く。


