彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました

「そうだね、私たちはずっと家族だよね」

涙を手の甲でぬぐって、母親はそう言った。

「久しぶりだなぁ、家族でこの場所にまた来れるなんて」

そのとき、後ろから父親の声が聞こえた。振り向くと、父親がゆっくりと公園に向かってくる姿が僕の瞳に映った。

「運転、おつかれさま」

母親が軽くお礼を言うと、父親は「いいよ」と、照れくさそうに言った。

近くのガレージに車を停めていた父親が、僕たちよりも数分遅れて公園の芝生に足を踏み入れた。

「思ったよりも、早く着いたなぁ」

「まぁ、そんなに遠くないしね。今、午前十一時二十三分だよ」

そう言って母親が、左手にはめていた腕時計に視線を落とした。

「ちょっと早いけど、お昼ごはん食べる?お昼ごはんは、サンドイッチだよ」

母親が、僕と父親の顔を交互に見て訊ねた。

「いや、ちょっと待ってくれ。その前に、願と話をさせてくれ。ずっと会話をしていなかったから、話がしたいんだ」

「え!」

父親の口から出た言葉を聞いて、僕は驚きの声を上げた。