彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました

「君、なんでそんなこと言ったの?」

「なにが?」

僕はそばにいる、女神様に視線を移した。

「『幸せになってください』って」

女神様は、不思議そうな顔で僕に訊いた。

「さぁ、自分でもわからない」

なんで僕がそんな言葉を口にしたかは自分でもわからなかったが、彼女には亡くなった彼氏のぶんまで幸せになってほしい気持ちがあった。

「それよりあの二人には、女神様の姿が見えてなかったみたいだけど、どうしてだ?」

疑問に思ったことを、僕は横にいた女神様に問いかけた。

「それは彼女たちは、一万円を神社に納めてないからだよ」

女神様は、軽い口調で言った。

ーーーーーどうやら一万円を神社に納めないと願いがかなうどころか、女神様の姿も見えないらしい。

「じゃ、あの二人の願いはどうなるんだ?」

僕は、心配そうな表情を浮かべた。

「それは、わからない」

女神様は、淡々とした口調で言った。

「そうか‥‥‥‥」

彼女とは僕の人生になんの関係もなかったが、あの女性がもう一度流産して不幸になるのはなんとなく嫌だった。