彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました

「そう、もうすぐ俺は、父親になるんだ。この世で、妻を一番に愛することができてよかったよ。そして、妻もこの世で俺を一番に愛してくれてうれしいよ」

うれしそうに言った男性の言葉を聞いて、僕は不満そうな顔になった。

ーーーーーーなにが、一番だ!お前は、この世で一番じゃないんだ。二番目なんだよ。

亡くなった彼の妻をうばった目の前の男性に怒りを感じたが、僕もお金を使って尊人からつぼみをうばう行動を取るから、反論はできなかった。

「もういいかしら?」

女性が、笑顔でそう言った。

「あ、はい‥‥‥‥」

僕がかすれた声でそう答えると、二人は背を向けて歩き始めた。

「あの‥‥‥」

「まだ、なにか用があるの?」

女性は僕の声に反応して立ち止まってくれたが、振り向いてはくれなかった。

「今度こそ‥‥‥幸せになってください」

彼女が幸せになろうが僕には関係なかったが、この言葉だけは伝えたかった。

少し間を置いて、彼女は「ありがとう」と言った。

手をつないで新しいだんなと家へと帰る今の妻の姿は、とても幸せそうだった。