彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました

「それ以降、一度だけ彼が残った二万円だけ持って、神社に来て私にこう言ったの。『子供が流産してよかった。流産しなかったら、僕は大好きな妻と子供を捨てた父親になるからね』って」

女神が言った言葉を聞いて、彼のそのときの表情が目に浮かんだ。笑っているけれど、泣いているような、とても複雑な表情。

彼は弱音を口にしていないが、きっと心の中で泣いていたと思う。

「そして二万円を賽銭箱に納めて、『妻の記憶から、僕の存在を忘れさせてほしい』それから、『妻には流産した記憶も忘れて、新しい恋をして幸せになってほしい』と、願ったんだ」

感激した。この先の生きる未来をあきらめて、これからの妻の幸せを望み、お金を使って自分の存在を消した彼に感激した。

妻の記憶から、自分の存在が消えるときはどんなに辛いだろう?この世で一番愛した女性が、自分とは違う男性と幸せになるのはどんな気持ちだろう?

僕にはそんな願いはできないが、大好きな人のために自分をぎせいにできる彼は尊敬できた。