「あんたにはこっち。」
サユリはポケットから手紙を取り出した。石
のシュンの手に、無地の手紙を強引に握らせ
る。
そしてポニーテールを揺らし、歩いて帰って
いった。
「別の人用ってそいつ誰だよッッ!!」
シュンは急に気になり出し、思わず叫んでし
まった。
ーーーーーーーーーー去年のあんただよ..。
彼女は駆け出す。
「あいつ間違えんなよ..!」
シュンはハア..と肩を落として手紙を開く。
『いい加減気付け鈍感。好きだよバカ。』
「!!!????!!!?!?!?!?!」
手紙書き終わった後、机の上にずっと置いて
あった、渡せなかった去年のラブレターと間
違えるとは。
サユリは赤くなった耳を押さえる。
というか早く逃げよ。アイツが手紙を読み終
わる前にーーーー。