ヒュウアウアウ...
ツンツンしていて、髪型が少々奇抜な男子高
校生はアウアウと口を動かしていた。
「さっ、ササッ、サユリぃ!!?」
2人以外、誰もいない校舎の裏で、男の声が
こだます。
「....何。そんなに大声出して」
サユリは、いつもと変わらずそこに立ってい
た。ーーーチョコを持って。
「お、おお、、呼び出したのお前だったのか..
..!?えっ!?オマエそんなカワイイチョコ渡
すキャラじゃねぇだろ!!」
2人は幼稚園の頃から知り合っている。いわゆ
る幼馴染というやつだ。
サユリは俯いた。チョコを後ろに隠す。
お、おお、、なんだかわかんねーけど、サユ
リは、俺の事す、好きだったってコトか!?
ええ!?
まっマジで..「シュン、義理チョコ。残ったか
らあげてやるよ。」
へ・・・・・?
呆然とする俺の手に、サユリは強引にチョコ
を握らせ、そのまま歩いて帰っていった。