ーーーその瞬間、




ギュッ..




「え.....」


「そんな顔すんなよ....っ」


千代くんに抱きしめられた。


「えっ..?えっ、えっ、千代くんっ!?」


私はたちまち赤い顔になって、心臓がバクバ

ク。え、え、何が起こってるの!?


「っ..ごめん!」


千代くんが私を離して、チヨコに走って戻っ

てしまった。


「千代くん......!?」





その後、


「あー!こんなに皆に応援してもらってちょ

っと残念だったね....って美雨!?顔赤いよ!

?」


「あ..うん、菜太郎くんだめだったんだ...」


と、一瞬胸が張り裂けそうな気持ちになった

けど、千代くんの事を思い出して顔がまたボ

ッと熱くなってしまった。


「美雨!?どうしたの!?」


「いや、あの、..ありがとう!ちゃんと告白出

来たし。本命チョコはお姉ちゃんに」


とニコッと笑ってお姉ちゃんにハート型のチ

ョコを渡した。


「美雨....!」


今日はバレンタインデー。


お姉ちゃんが私の事かわいい妹だよって抱き

しめてくれたり、翌日千代くんにお詫びのチ

ョコレート貰っちゃったり、千代くんにドキ

ドキ、しちゃったり...




「坊ちゃん、失恋の美雨様を強引に..!青春

ですなあ」


執事のじじぃが見ていたらしい。その言い方

はイヤミまじりだ。


「なんで見てたんだよ..!ったく本当にユーウ

ツな日だな、こんなイベント無くなればいい

のに..!」



みんなの大切さが分かった!マミは相変わら

ずだけど...





「···ん、おはよ··········」

「っ!お、おはよう、千代くん··っ」




ハッピーバレンタイン!··でした。
























             【本命チョコ A 終】