「っ?」
振り返ると、女子高校生が、青ざめた表情で
そこに倒れていた。転んでしまったらしい。
「...君はどうしたのかな?」
えっ。
菜太郎くんは笑ってるけど、その女の子に近
づいて行く姿はなんかちょっとコワイ..。
「いっ、いやあっ、えっと..!!!」
と、女の子は転んでビショビショなのに、私
の方を心底申し訳無さそうに見て、
「ごめんなさい...!!」
と、私はすごい頭を下げられて、大丈夫です
よと言う前に彼女はいなくなっていた。
「!?」
彼女は10メートル猛ダッシュしたところで止
まり、
「どどどどどうしよう..悪魔野郎の顔天使モー
ドなのにさっき魔王みたいだった..そんなこと
よりあの、必死で告白してた女の子に申し訳
無さすぎる...っ!!!」
と本人は小さな声で言っているつもりなんだ
ろうけど割と大声で聞こえてくる。??悪魔
?魔王?なんかちょっと変わった女の子だな
...??
「ごめんね、美雨ちゃん、あの子も悪気は無
かったんだよ、....きっとね」
ヒェッ!とあちらの方から、何やら声が
聞こえた。
「あっ..う、うん......!」
もっと喋ってたいな..。でも...と、女の子の方
を向く。
「本当にごめんね..君の気持ちには応えられな
い。とっても嬉しいんだけど..」
「うん....」
驚く程に、それ程私はショックをそれほど受
けていないことに気付いた。それは、過去に
自分で無理やり後悔や恋心を無くした感情と
は違かった。
「..好きな人とかいるの?」
なんとなく聞いてみた。菜太郎くんは私の表
情にちょっと目を丸くし、
「いや...いないよ。」
「そっか...」
私は、チョコを咄嗟に後ろに隠した。そして
傘で顔を隠す。本当は渡したかったけど、そうし
た。
予感が、したから...。
いつも鈍い私だけど...なんとなく、分かってしま
う。きっと2人は未来ーー。
「ありがとう、君が告白してくれた事、本当
に嬉しかった..!」
パアッと天使の菜太郎くんが笑った。その顔
を見て、まだ、私はああ、カッコいい..と思っ
た。
「うん、ありがとう、菜太郎くん....!」
と言って、手を振って、私は菜太郎くんに背
を向けた。

