ハアッハアッと水溜りなど気にせずにビッチ
ャビッチャと駆ける。走る、走る!
なんていうのかな、賢者モード、いや勇者?
いやもうどっちでもいいや、だ今!
なんか、今なら何でも出来そう!!!
「ああ、心臓がドキドキしてきた...っ!」
緊張と、告白するのが楽しみになってきたと
いう心臓のドキドキ。
菜太郎くんはいるかなあ、きっといる、お願
い...っ!
バスの横を通り過ぎて、電車が来る前に猛
ダッシュ!通り過ぎた直後にカンカンと鳴り
始め、思わずガッツポーズ。
きっと大丈夫、フラれたとしても大丈夫、私
にはありがたいことに、のりちゃんがメグミ
が、...マミが、クラスの皆が、...お姉ちゃん
がいる。
こんな時に、友達とか家族に感謝するなんて
!さっきまで挫折していた事が逆に反動した
っぽいな...!
勇者モードのままで学校が見えてきた。ハア
ッハアッ、と言いながらもまだ走る。
「菜太郎くんっ、ハアッ..どこ?」
と辺りを見回し始めた瞬間、
「もしかして、僕に何かよう?」
この声はーーーードキ......ッ
「菜太郎くんっ!!」
ガバッと振り返ると、そこには、ニッコリと
天使のように微笑んだ、菜太郎くんがいた。
だけど、もう周りの女の子達はいない。
「え..えと、今帰るところなの??」
「うん。帰り際に美雨ちゃんと会えて嬉しい
な...」
と菜太郎くんは更に微笑んだ。心臓が高鳴る
。胸が苦しい。初めて自分から雑談を出来た
。
菜太郎くんは全員にその甘い言葉をかけてい
るのは知ってる。けど、どうしても、キュン
とする気持ちは抑えられない。
「あっ、あの....!」
私は左足をザッと前に出した。できる、大丈
夫、今の私なら..っ!!
校門の前で、少しの沈黙が訪れる。
「ん?どうしたの..」
菜太郎くんがフワッと微笑む。ああ、カッコ
いい「えっと.....っ、そのっ.......っ!」
心臓どころか胃も破裂しそう。好きな人に告
白なんて、もの凄い恥ずかし、いや...言え、言
え、私い!
「っ...なっ、菜太郎くんの......っ」
声が震える。やややばい!いやキニスルナ落
ち着け私!!もうちょっとっ..!今ここで言葉
を続けないと、告白なんか、できないっ....〜
〜!!
「〜〜っこっことがっ....!」

