「でも、事情は違えど告白の前は逃げ出した
くなるもんだよねー」
フッとお姉ちゃんが柔らかに笑った。アレ、
絶対何かガツンと言われると思ったのに..雰囲
気変わった。
「そういえば、私今の彼氏に告白する時、間
違って元カレの名前で好きですって言っちゃ
ったんだよねえ」
「えっ!」
私はビックリして思わず大声が出てしまった
。
「テンパってさー、告白成功した後超笑った
んだよね!」
ケラケラとお姉ちゃんは笑う。私はポカーン
と口が開いたままだった。と、我に返って、
「でも...告白が成功してなかったら、そんな
笑ってなかったんじゃない?」
と、気づいたらそんな事を喋っていた。ハッ
として口を隠す。
お姉ちゃんはそんな私を見て、ふ..と優しく微
笑んだ。
「あたし一回ね、今の彼にフラれたんだあ。
あ、別に名前間違えたからじゃないけど」
お姉ちゃんは悲しい過去なのに、懐かしそう
頬杖をついた。
「え...そうだったんだ」
私は口をつぐむ。
「そりゃあ、その後ああ、私はなんてことを
、って泣きじゃくって告白した事もその夜は
ちょっと後悔したけど、一晩明けたら、告白
して良かった、勇気出して良かった、と思っ
たよ」
ドキ、としたけど、お姉ちゃんは私の方を見
て言っていない。昔話を思い出して喋ってい
るんだろう。
「そ、そうなのかな...」
もし、フラれても、その時は苦しくても、
後で笑えたり、告白して悔いはなかったって
心の底から、思えるのかな..
「まあ、私はその後、どうせフラれても告白
しただけ悔いは残らん、ならアタックして当
たって砕けろ、悔いを残さん!と思って猛ア
タックしたけどネ、そして念願叶って2回目の
告白で彼氏になったってワケ」
お姉ちゃんはニヤニヤ〜と笑った。お姉ちゃ
んはオシャレだから告白されて、ずっと幸せ
だと思ってた。だけど違ったんだ。
「それは..すごいね。猛アタックなんて私には
...」
お姉ちゃんがここで、私の肩をガシッと掴ん
だ。
「あたしがどう言おうと、どうするかは美雨
次第。告白しないで一生後悔するか、付き合
えるチャンスがある告白を、少し恥ずかしさ
を我慢してするか。」
お姉ちゃんは、ふ...と笑った。その強い表情
は、のりちゃんと少し似ていた。

