バレンタインのユウウツ



「まあでも、お菓子は渡せたんでしょ?また

次のバレンタインで告白、とかいいんじゃな

い?だってあまり話した事無かったんなら今

回のがキッカケで逆に..」


「ちっ、違っ..!」


私は、お菓子は渡せたんでしょ?というのに

すぐさま否定したかったけど、言葉がえ..あ..

!とすぐには出なかった。


「お菓子も渡せなかったの...!!」


「えわざわざお菓子作ったのに!?」


お姉ちゃんがちょっとのけ反った。お姉ちゃ

んは恋に積極的なタイプだから、相当驚いた

と思う。


ふう..とお姉ちゃんが一息つき、少し考え込ん

だ。私は怒鳴られんじゃないかと身震いした




「ちなみに、なんで渡せなかったの?」


お姉ちゃんの口調が、フワッと優しくなる。

お姉ちゃんは私がどうしたら理由を話すのか

分かっていたのか。その優しい口調に心がほ

だされて、ぽつりぽつりと私は事の顛末を話

し始めた。


「それで、自信が無くなったの..私は臆病者だ

。」


と、少しの自己嫌悪心から私は頭を抱えた。


「ねえ、美雨。」


お姉ちゃんは、私の手を頭からのけた。


「美人だからって、その菜太郎くんがその子

と付き合うなんて限らないんだよ。逆に美人

の人でも結婚できない人なんて腐る程いるん

だから。」


お姉ちゃんはそう言った。


「それは、分かるけど..やっぱり、不安で....!




「わかった。」


「え...?」


お姉ちゃんは私の心を見透かしたようだ。

真剣な顔になる。


「たしかに、あんたは美人な子が菜太郎くん

に告白しようとしてて、美人だから、ていう

理由もあって気が引けたんでしょうよ。」


そこで、お姉ちゃんはビシッと私を指さした




「あんたが告白出来なかったのは、単に告白

する勇気が無かっただけで、そこに美人なラ

イバルという強敵が出てきた。それを理由付

けで逃げてんのよ、あんた。」


ドクッと、図星をつかれて私の顔は強張った

。お姉ちゃんは、やっぱりか、というように

私の目を見る。


「うん...」


それしか、私は言えなかった。


「そしてさ、ここで菜太郎くんに告白しなけ

れば、後悔して、その後悔の気持ちをも無か

ったことにしようとするよね、あんたは。」


また図星。なぜ、お姉ちゃんが後悔のその先

にやるであろう私の行動まで見透かしている

のだろう。


その厳しい口調で、反射的に握りこぶしを作

った。