そう、自信が無い..
のりちゃんが私の顔を覗いているのに気付か
ず、菜太郎くんをぼーっと見る。
「美雨?」
だから、これまでの好きな人の好きな人が分
かっても、それが、例え友達だったとしても
ーー嫉妬できる程、···クッキーも渡せなかったし、そんな資格、私には無い。
かわいい女子達に囲まれて、彼は嬉しそうに
笑う。
菜太郎くん...っ!!!
私は転んだ。のりちゃんが手を差し出す前に
いつのまにか立ち上がっていた。その間にも
女子達が彼の周りにチョコを渡そうと集まっ
ている。先生が大声で怒鳴ってるけどもう止
まれずに走った、女の子達の間をすり抜け、
ひたすら足を動かす。
菜太郎くんはもう2メートル先「菜たろっ....」
その時だった。嘘みたいに体が固まって動け
ない。
「菜太郎くんっ..ちょっと、中庭に来てくれな
いかな..?」
とても可愛らしい顔立ちの女の子が、くるり
と巻かれた髪を揺らし、赤い顔をして菜太郎
くんの袖を掴んだ。
あ..........
私は後ずさり、そのちょうど、鏡がはってあ
る隣の壁を恐る恐る見た。
髪はボサボサで、自分でも見るに耐えない赤
く腫れた目、赤い鼻、充血した目の泣き顔。
「あ..「いいよ、君みたいな子に誘われるなん
て嬉しいなあ..」
私の姿、想像以上にひどい....。
キャーーッと女子達が嬉しそうに悲鳴をあげ
る。まるで自分に言われたかのように。私は
その場にしゃがみ込む。
こんな私が、かわいくておしゃれな子の隣で
、告白?
「髪もボサボサ。こんなんじゃ菜太郎くんに
嫌われちゃうかもよ!」
お姉ちゃんが笑う。
私を見下し、あざけるように。
知っている、お姉ちゃんがそんな感じで笑う
人じゃないって。だけど、ーーーーーー
私じゃやっぱりだめなんだ.........っ

