少しずつ明るくなるカーテンの外に軽く舌打ちする。
~また眠れなかった~
既に慢性化してる不眠症今では支障なく日常生活も送れるようになった。
眠れず悲鳴をあげる脳にトドメを刺すように、佐渡 符束は頭を ブンッと振ってベッドから起き上がった。
しなやかな黒髪がスローモーションのように流れる。
白を通り越して青く見える肌。
一部で流行りの中世ヨーロッパ時代をイメージする衣装が似合いそうだ。自室の大きな姿見に、全身が映る。姿見の中の自分を睨みつける。
「大っ嫌い。アンタなんか」
嫌いだ。可愛くない自分愛されない自分。素直になれない自分。