「!?!?」
ビックリして、思わず佐藤さんの肩をドンッ
と押してしまった。
「あっ、ごめーーー」
とどいてくれるかと思ったら、また顔が近づ
いて来た。
「だめだよりりちゃん..そんな顔、反則」
!!
佐藤さんの前髪から、高揚した頬とうっとり
とした瞳が揺れた。
何その、可愛い顔ーーー。
一瞬、佐藤さんの、意外にとても可愛い顔が
すごく、
可憐に見えて...
抵抗の手をゆるめた。
「..って!佐藤さん何をしているの??どいて
ちょうだい!」
という私の言う事を聞かずに、歯止めのきか
なくなった佐藤さんは、私の頰をスルッ..と
ゆっくり撫でた。
「どんなに嫌われてももういい..りりちゃん、
好ーーーー」
「!!」
その甘い視線に、何故か、不覚にも胸がギュ
ッと苦しくなった。
その瞬間、体育館のドアがガラガラっと開い
た。

