「うわあー、バスケきつかったー。」
私は早速友だち候補の佐藤さんのところに
喋りに行った。佐藤さんは、皆喋りながら教
室に戻っているのに、1人だけ体育倉庫室に
ボールの入ったカゴを運んで片付けていた。
エライなあ..先生ももう職員室行ったのに。
「私も、走るの以外苦手....」
「あっ、手伝うよ!」
とカゴに手をかけようとしたら、
「大丈夫!」
と佐藤さんは私に背を向けた。
え..なんでそんなに......?
「これ、私が頼まれたのだから...りりちゃん
は戻って...」
佐藤さんの肩は微かに震えていた。
「......」
私は思った。