「私のことは好き...?」
えっ...??
と..?
脳の処理が追いつく前に、彼女は私の腕をゆ
っくりと抱きしめた。
「え?ど、ど...」
いきなりあまり話したこと無かった人にそう
言われたもんだから、困惑し、体は固まる。
「ごめん、変なこと聞いちゃったね.....」
と、彼女は私の体からぱっと離れる。彼女の
体の柔らかさが強く体に残っている。それ程
強く抱きしめられたのか。
「いや、大丈夫だよ!よろしくね」
と恥ずかしそうに俯く彼女に心を痛めた私は
大丈夫だよと笑顔でアピールした。
この子も私と同じくコミュ障だ。なんか言い
たいことまとまらなかったんだよ、きっと。
「..ごめんね....」
謝りながらも、彼女は私の笑顔に驚いたらし
い。彼女はそっぽを向いた。
胸には佐藤と名前がジャージに縫い付けられ
ていて、そうだ、この子は佐藤さんだったな
、と思い、その後も天気の話などして体育館
に2人で行った。