前髪の中から覗くその目は、私を誘惑してい
るようだった。
「う、うん。いいよ!」
断る理由もなくそう答えーーる前に、彼女は
私の腕を掴んで教室の外へ出た。..私に拒否権
無いんかいな。意外に強引!
この子の名前は、、えっと、なんだっけ、、
。
いつも一人ぼっちってことは知ってる。私と
違って嫌がられてはないけれど完全に人と関
わらない。
でも、ぼっちでもぼっち同士集まればそれは
もうぼっちじゃない。ぼっちって言葉だけで
心折れそう。
「ねぇ、体育好き?私は苦手だなぁ〜体力な
いから、、」
と、これから移動仲間になるであろう人に話
題をふってみる。彼女の後頭部を見て、可愛
らしい髪型だな、と思った。