「...」

今日の宿題をやる手を止めて、席を立った。


邪魔なクラスメイト達にどいて、と言えるは

ずもないから、誰も座っていない椅子の後ろ

や机と机の間の通路をグニャグニャ曲がって

教室から出た。


まったく....椅子はちゃんと机の下に入れて欲

しい。私が椅子を触るところを見たらうわ..と

いう目で見てくるくせに。


ところでいるかな..


隣のクラスのドアはラッキーな事に開いてい

た。

ちょうど視線の先に、可愛い女の子と周りの3

人の女の子達がいた。

「あっ、りーちゃん!」


1番可愛いコが私に気付き、私の方に早歩きで

近寄ってくる。あっ、木原さーんとからかう

ように3人もついてくる。

「木原さんっていうのやめてよー!名前で呼

んで!」


といいつつ、メガネのちょっとオシャレな女

の子が、自分の腕を私の腕に絡ませていて、

友達感があって顔がニヤける。


今日初めて声を発したな..。


「りぃくんもうちのクラスが良かったのにね

ー、こっちに来ーい!」

と私をこの教室に連れて行こうと強引に引っ

張る。


「いでででやめて!!」

と大きな声で訴える。

「ねぇねぇヒマー遊ぼうよ!」


グループの1番可愛いコもクラスに連れて行こ

うとする。このコはどういうワケか小学校の

頃から一緒にいたから、親しみやすい。


このように、一応遊ぶ相手はいる。




同じクラスに友達がいなくて、人見知りな私

の言動を笑い、小学生みたいに菌扱いをする

クラスの雰囲気は、劣悪だった。