違う、違う、違う。 私は他人に興味なんかない。 きっとリスカの跡を見られて動揺してしまっただけ。 そう自分に言い聞かせた。 授業が終わり私は学校をあとにする。 今日はバイトが休みだけど、真っ直ぐ家に帰る気はない。 何をして時間を潰そうが歩きながら考えていると、 いきなり後ろから肩を掴まれた。 「キャッ」 驚いてバランスを崩してしまい、 そのまま肩を掴んできた人の胸に倒れ込んでしまった。 フワッと香る香水の匂い。 私はこの香りを知っている。 恐る恐る顔を上げると、ニッと笑った顔の晴也。