「たのしーよ」


「……っ、ふーん。よかったね」


毎年、そうやって返ってくる言葉は変わらない。


そんなことわかってるのに、何か今年は違うんじゃないかと期待しちゃう。


なんでもいい。


つまんないとか、こっちが恋しいとか、


言ってくれないと、私ばっかりで本当苦しくなる。


「同じ寮にすっげぇ可愛い子がいるんだけど」


あ、つっても女子とはエントランスまでしか会えないんだけど、なんて付け加えて話し出す。


一番聞きたくなかったことを…。


「へ〜」


私は、小達から顔を隠すようにテーブルに腕とその上に顔を置いて微かに音が漏れてるテレビに目を向けた。


小達からは、私の後頭部しか見えていないだろう。