【短編】こたつとみかん



「急に化粧とかしてるから…ビビった」


「えっ?」


小達…私のメイクに気付いてたの?


「気になるやつでもいんのかなって」


小達は目をそらしながら頭をわしゃわしゃとかきながらそういう。



「…嫌だった?」


「えっ、」


「美柑にキスしたんだけど」


「っ、、」


目をまっすぐ見つめられたまま名前を呼ばれて、私の鼓動の速さは収まることを知らない。


びっくりしすぎて、声が出ない。


なんで、小達が私にキスなんてするんだろうか。


からかってる?



「なんも言わないならもっかいするけど」


「えっ、ちょ、」


隣の部屋からは大人たちの笑い声や話し声が聞こえる。


身体中が熱い。