「すっげぇ、可愛いんだよな〜。都会の女の子って感じで」
「……」
「ほら、前に俺が好きだって言った女優がいるじゃん?」
「……」
「似てんだよな〜」
へぇ、好きなんだ。
そっかそっか。
そうだよね。
こいつが好きな女優の顔を私はよく知ってる。上品でふわふわしてて唇がセクシーで、可愛いも綺麗もできちゃう女優さん。
わかってるよ。
敵わない。
せめて、遠距離じゃなかったら…。
今とは違っていたのかな。
「おーいっ、人の話聞けよ〜お前から聞いてきたんだろ、坊」
っ、、
やつはそう言って、コタツの中から私の足を軽く蹴った。
そうですか。
女子に暴力ですか。
そりゃあなたにとっちゃ私はこれっぽっちも女じゃないですもんね。
捻くれた言葉はいくらでも思いついてしまう。



