月に叢雲花に嵐 -夢現-

「琵琶も横笛も、素晴らしいのに………何故、零落してしまわれたの?こんなに教養豊かだから、此処に行き着いたのかしら。若君はとても風情がおありの方だから。」

女房が一人、そう言っていたのを聞いて、少し、悲しくなった。

(そうよ………あたくしは、何故………?仮にも、あたくしは女王でしょう?それなのに…………)

昔を思うと、辛い。
あの頃は、身分低き者など、まるで相手にしなかった。

それも、変わりつつあった。
いや、変えなくてはならなかったのである。

(あたくしは、なんの為に、頑張ってきたの、今まで。)