教室に戻ると、案の定アサちゃんが私の席にやってきた。

大橋くんが戻ってきていないのを確認して、
「ね、ね。美亜っち、さっきの大橋くんの呼び出し、告白?」
と、含み笑いしながら聞いてくる。

「……うん」
「キャー! やっぱそうだったんだ」
 
アサちゃんの興奮した声に、いつのまにかナナちゃんとノンちゃんも席を囲んでいた。

「そうなんだ。大橋くん、美亜のこと好きだったんだね」
 
いつも落ち着いているナナちゃんも、心なしかちょっとテンションが高い。

「アイツ、いーヤツよ、マジで」
 
ノンちゃんも私の目をじっと見ながら、彼を売り込んできた。
今までの反応とは明らかに違うみんな。

「……もう、断っちゃった」
 
だから、なぜか申しわけない気持ちになり、小さな声で答える。