「俺はあの子がいいかな……」 俺の言葉に、彼らは頭をぐるんと回す。 そして数秒のあと、彼らはゆっくりと頷き始めた。 「あぁ、佐城か……確かにいいよな」 「スタイルいいし、顔も可愛いし……」 「俺らからしたら、高嶺の花って感じの存在だよな……」 「「「うんうん………」」」 え……あ、本当だ。佐城さんだったのか。 ……もう、行ってもいいかな。 注目が自分からそれたことに安心してその場から離れようと、俺は石垣に向かって歩き出した。