2人で苦笑していると、放送部のアナウンスがかかった。
「騎馬戦に出る人は校舎側のグラウンド前に集まってください」
「お、祐樹くんの出番だね。頑張って」
「宣言したから、できるだけのことはやってくるよ」
佐城さんに背中を向けて集合場所に行けば、
運動部男子ばかりが集まっているのが目に映って、俺は思わず顔をしかめた。
「これは、あまり頑張りたくない状況だ…、?」
ガタイのいい男子たちを遠目に眺めていれば、誰かに見られているような視線を感じる。
練習の時に感じた視線と同じ……?
不思議に思いながら周囲を見ていると、こっちに近づいてくる誰かが視界に入った。
「あ……」