「ナメないでよ、10年以上一緒にいるんだき、茜が考えてることくらい分かる」

「そ、そうなんだ...」



そんなにわかりやすいのかな、私。



「ー お、おい見ろ!!校門に立ってる女の子、めっちゃ美人!」



窓側の席の男の子が大きな声でそう言うと、クラスの視線は窓の外へ。

そんなにキレイな人なのかな?



なんて思いながら外を見ると、私は言葉を失った。


「...っ!」



なんで、ここに...



「うちの学校に友達でもいんのか?あの制服って白川高校だろ?」

「あ、あの人見たことある!!たしか2年D組の有馬雄飛先輩の元カノだよ!私中学一緒だったもん!」



1人の女の子の発言でクラスがざわついた。



「は?マジ?でも別れたのになんで?」

「すごくラブラブだったんだけど、たしか別れた理由は...たしか」

「やめなよ」



先輩のことを興味本位で噂するみんなにイラッとした私は、つい声を出してしまった。


私の声でシーンと静まり返る教室。


さっきまで他の所へ向いていた視線が一気に私へ集まった。


...あ、やばい...つい言っちゃったけど、この空気どうすれば...