「色…」




そう言われて足元に視線を落とすと、私の上履きは赤いライン。

センパイの上履きは…青いライン。




そうか、上履きって学年カラーだったっけ…!




「てかさぁ、君がまだ校舎に残ってることが先生にばれたら…入学早々ブラックリスト入り確定だよね?」




ギクギクッ!!




「こ、これにはちゃんとした理由が…!」



「ふうん?理由って何」



「え、えーっと…」




コツ、コツ、コツ…




「…っ、あ、足音が…!」




廊下のほうからこっちに向かってくる足音がする。


この音…絶対に上履きじゃないよ〜!!




やばいやばいやばい…!


隠れなきゃと思うのに、私はなぜか体が動かなかった。


それどころか頭すら回らない。




「チッ…おい、こっちに隠れてろ」



「え、あ、はい」




さっきの人にグイッと腕を引かれ、私は本棚の間に身をひそめた。