「あのね。どっちと想う?」
意味を理解しないまま吐いた。
泣けるからこそ、いつもの私みたいに、平気なふりをした。

音だけだからわからないのだけれども、そら君は更に苛々していた。
貧乏ゆすりのイメージだった。

「俺より好きな方はどっち?」と、油断している間に、顎クイされてしまった。
ベットで寝ている私だから、床ドンの体勢にも、なっている。

カアッっと赤面する。

でも逃げ場はない。

「すま、すま、すまいりー、すまいりーじゃなくて、そっちかも?」ひしゃげた声で意味不明な日本語を吐いた。

「じゃあ、俺は」慰謝料督促用の専属弁護士なわけ。と、彼は色気のある目差しで、私の精神構造を安心させる言葉で、私を壊した。

何10年後に、俺は俺の愛する誰かと、所帯を持てるという、夢をみなくては、いけないんだ?

「不幸のヒロイン気どり」
俺の事は専属弁護士に、慰謝料督促させる、だけの仲なら、
婚姻届は何故必要なんだ。
そして何故、選ばれたのが俺なんだ。
説明しろと、

なのに
硬直している私が笑えたのか(怒)先程にはなかった余裕をみせる彼は言った。


「もう仕方がないから、お前のペースにあわせてやる」と彼は最後に笑顔をみせた。





そんな赤面症のはなし



(了)