帰りのHRを終え、

教科書と筆記用具をしまう。

エナメルバッグを持ち、立ち上がった所に、



「あっ、み、みのる君、一緒に帰らない?
美味しいクレープ屋みつけたんだけど」


クラスの女子達。
秋は手を降りながら微笑んで、


「すっごく行きたいんだけど、今日は早く帰れって母さんが…。
よかったらまた誘って?」

「そっか…。ま、またね!みのるくん」

「バイバイ。また明日」

「キャーー、カワカッコイイーー!」


廊下まで聞こえる、女子の歓声。




「おっ!みのる帰り?今からバスケしよーぜっ!」


隣のクラスの男子数人。
元気よく、方目つぶって、


「わりぃっ!今日は早く帰れって言われてるから!」

「なんだよ〜。お前いねぇとつまんないんだけど〜」

「ほんとごめんっ!バスケはまた今度、な?じゃーあー」


渋々手を振る、男子達。




「櫻葉ー。今いいかー、生徒会の用事頼みたいんだけど」


3年の会長。
少し眉を下げて、


「えぇ、先輩、またっすか?後輩いじめだぁ〜」

「主席日数、稼ぎたいんだろ?」

「…そうなんっすど、残念、僕今日予定があるんで」

「じゃあまた今度お願いするから」

「うぅ、りょーかいです。お疲れ様でしたー」


いつも気にかけてくれる、会長さん。




「櫻葉先輩あの、お、おつかれさまです。えっと、いっ、い、今帰りですか?」


中学生の後輩。
優しく笑って、


「そうだよ。きみも?」

「はっははは、はい!」

「そっか、気をつけて帰るんだよ?」

「はい!ありがとうございます!ま、また明日!」

「うん。さようなら」


友達に抱きつく後輩ちゃん。