「う~ん...」
全身鏡の前に立ってかれこれ10分。
鏡に映るのは、黒縁メガネに地毛の茶髪はおさげに、そしてスカートはちょうど膝が隠れるくらいの長さ
そう、誰がどう見ても超地味子なんです!
なんでこんな格好をしているのかというと
昨日の夜、お父さんに
「この格好じゃないと高校には行かせない!!」
と、言われてしまい、しぶしぶ...という事なのです。
なんでお父さんこんな事言ったんだろう...?
でも私は絶対ここの高校に入りたいんですっ
だってここの高校、制服が私のどストライクなんですっ
淡いピンクのチェックのスカートに、お揃いの色のリボン、ブレザーは濃すぎないグレー基調
それに、新設校で校舎も大きくてすっごく綺麗なんです!
そんな理由で...って親には呆れられちゃったけど....き、気にしないもん!
お母さんお父さんこんな娘でごめんなさい!
こんな素敵な高校で青春!ってのを期待してたのに
こんな格好じゃ友達が出来るか不安だよ〜...
『ピンポーン』
鏡に映る自分とにらめっこしてたら家のチャイムが...
これはきっと...
『ガチャ』
急いで準備を終わらせてドアを開けると
そこには予想通りの人物が!
「おそいよ真夏!入学式遅れたらどうすんの!」
朝から美人オーラ全開のこの美少女は
日向 唯 (ひなた ゆい)
私の唯一の親友でツンデレ美少女なのです!
「唯〜ごめん〜!!うわあ!制服似合ってる!!可愛い〜!!」
「..真夏には負けてるって..
それよりいそがないと間に合わないよ!」
そうそう!今日は待ちに待った白百合学園の入学式
「まだ全然大丈夫だよ〜、もう心配症だなぁ〜」
唯は心配症でしっかりもので、とーっても頼りになるんです!
「.....?!?!えっ..真夏その格好...どうしちゃったの..?」
気づくの遅いよっ!それにしてもすっごく引かれちゃってますね...
「お父さんがこの格好でいけって....」
「あ〜、なるほどね...相変わらず真夏のお父さんは過保護ね」
そんな会話をしながら、通学路を歩いていると周りの人の視線が凄すぎる....
「うわっあの子めっちゃかわいい!!!」
「やべーっ、まじでかわいい///」
「隣の子、超ダサすぎ」
「ほんとっ、いつの時代って感じ」
「釣り合ってねえー」
....全部聞こえてますよっ!!
確かにどうみても釣り合ってないけど、そんなにはっきり言わなくても...
ちょっと泣きそうになって俯いていると
「.......」
私の隣から黒いオーラが!!
唯が怒っちゃってます...
「アイツらなんなの!!真夏の本当の可愛さみたらみんな絶句するんだから!!ほんっとムカつく!!」
「私が可愛いなんてありえないよ〜、でもお世辞でも嬉しいよ、ありがとうっ」
こうやって自分の事みたいに怒ってくれるなんて唯はほんとに優しいな〜
「.....無自覚」
喜んでる私には唯の呟きは全く聞こえていなかったのでした....
