彼の組織は、


人身売買で、幼い子供を買い、


暗殺者、ハッカーとして育てる。


時には組織内で殺し合いをさせる。


殺し合いで残った1人。


それが、彼。


彼は組織のNo.2になった。


きっと彼は、もう何も感じない。


人を殺す、悲しみも、苦しみも。


人を想うことも。


だからこそ、何故私なのか。


何故私に執着をみせるのか。


『…遅いなぁ。もう寝よ。ふて寝だふて寝だー。』


ドドドドドッ


『あ、来た。』


凄い慌てようだな。


ガチャッ


「…っ…。」


『…直行ですか。』


血の香りが漂う。


「…脱ぐ。」


そう言って、おもむろに脱ぎ始めた。


『…おお、いい筋肉。』


「……。」


いや照れるんじゃないよ。


『…話をしたいです。あなたと。』


「…僕もしたいと思ってたよ。」


儚げで美形な青年。


『…あなたの名前は?』


オト「…オト。」


『お…私の名前は、知ってるんですよね。』


オト「有栖川羽咲。僕の愛しい人。」


『…最後のやつはいらなかった…。』


オト「僕にとっては必要なことだよ。」


『…オトさんはどうして私を誘拐したんですか。』


オト「初めてあった時から、絶対に僕のものにするって決めてた。」


…ハァ?って言いたい。いや、多分顔に出てる。


『…夏の時、あの屋敷にいたのは仕事ですか?』


オト「そう。」


『どういう依頼で?』


オト「…君たちを殺す仕事。」


『…にしては、割と手抜きじゃないですか?本気になれば私たちを殺せたのに。』