『…気晴らしに散歩でも行くか。』
多分、体が訛ってるだろーし。
『っ…っは…っは…。』
軽くジョギング。
今の時間帯は…平日の昼。
ちらほらと人がいる。
『…今日は、ちょっと、戻ろうかな。』
あの日常の場所に。
走りながら、程遠い日常だった場所を回る。
『あー…そーいやここのゲーセンで碧と対決したっけな…』
『…っうわ、新作ケーキ出てるよ…嘘だろまっじか…買いに行こ。』
『…あ、碧と初めてデートした場所だ。』
『あ、ここはみんなと花火したところだ。』
『…あー、ここも…』
たくさんの思い出が蘇った。
碧と《ALICE》のみんなと過ごした日々。
ああ、懐かしい。
『…っは…ホント…懐かしいや…っ…』
自然と、涙が零れた。
『…ッグスッ…はー…戻りたいなぁ…会いたいなぁ…っ…』
「っ羽、咲…?」
『ッ…え…?何で、ここに…何で、叔父さんが…。』
驚いたような、泣きそうな表情をした、秋さんがいた。
秋「…お…お前……ッホントに…」
『っ…』
私は走って逃げようとした。
秋「ッオイ待て…!!」
ガシッ
秋「ホントに、羽咲なんだな…?」
『…チガイ、マス。』
秋「嘘つけ。…こんな格好してもバレバレだ、バカ。」
『…っ…何で…』
秋「…羽咲?」
『…どうして、探すの?私を…。』
秋「お前が大切だから。それ以外に理由があるか。」
『…私はっ…碧を死なせちゃったんだよ…。』
秋「…お前が無事なら、いい。」
『良くない!!全然良くない!!何で、何でみんな私を庇うの!?何でみんな、死んじゃうの…っ…』
秋「…それはな、羽咲。…みんな、お前が大好きだからだ。」
『…私もみんなが大好き。だから、私のために死んで欲しくなかった。ちゃんと生きてて欲しかった。』
秋「…なあ、羽咲。…もし俺が捕まったらどうする?」
『助ける。命に変えても、絶対。』
秋「だろ?…それと同じだ、羽咲。」
『…え…?』


