ひとしきり買い物して、
お互いにプレゼントも渡しあって。
私は碧に黒猫のピアスを渡して、
碧は私に青い月のペンダントをくれた。
『…一生大事にしていきたいと思いマス。』
碧「俺もデス。…じゃあご飯食べに行こっか。」
『あー、待って。トイレに行きたい。』
碧「ウサギさんよ…そこは女の子らしく化粧室といいなさい、化粧室と。」
『いーじゃん。直接的に言ってないんだから!行ってきまーす!』
碧「ハイ、いってらっしゃーい。」
この時、私がトイレに行かなければと、何度思ったことか。
自分の立場を理解して、もっと気を張っていたら。
どんなに良かったことだろう。
トイレから出て、少しメイクもして。
碧に褒めてもらおうと思って、
外に出ようとしたら
『…ッッ!!!!』
私はスタンガンで気絶させられた。
そして気付いたら、暗闇の倉庫にいた。
ただ、そこに放置されていた。
どこも縛られてないし、口もふさがれていなかった。
ただ少し、体がだるくて、動けなかった。
コツコツコツ
誰かの足音がする。
『…だ……れ…。』
「おはよう、僕の可愛いお姫様。」
ドクンッ
「っああ…!ついに…!ついに…!!やっと、手に入れられた…。」
ドクンッ
『…は……?』
「…前回は失敗しちゃったからね。でも今回は邪魔が入らないように仕向けているし…ふふふ…。」
ドクンッドクンッ
『だ…れ…ッ』
「僕…?…ふふ、前回と同じ回答をしてあげよう。…僕はね、君のことが大好きで大好きでたまらない人、だよ…?」
ドクンッドクンッドクンッドクンッ
『っ…な…!!』
何故、この人がここに…!
「君は僕をたぁっくさん傷付けてくれたから、今度は僕の番かなぁ…。」
『…っ来ないで…クソ、何で体がこんなにダルいんだよ…っ!!』
「ああ、動くのはやめといた方がいいよ。結構強い薬飲ませたから。」
『…っ…!』
「大丈夫、そう怖がらないで…?大丈夫、僕はね、君とただ、愛し合いたいんだ…。」
『来…ない…で…!』
「どうして拒絶するの?前にも言ったじゃないか。僕達は運命共同体だって。」
『何言って…』
「ずーっと、ずーっと、待ち望んでいたんだ、君と会えること。…ずーっと、ずーっと、ね…。」
『…会ったこともない人に運命共同体なんて言われたくない…!罪人のくせに…!私の両親を殺したくせに!!!』
「いいや、会ったことあるさ。そう、僕は鮮明に覚えている。君がまだ、幼いときに僕と二週間、ずっと一緒に遊んだんだよ。」
あの人はそう言ったけど、私にはその記憶が無かった。
『知らない。』
「そうだろうとも。なんせ君はまだ4歳だったんだからね。」
『ありえない。…こんな人、私は知らない。』
金髪、青目、180cm越えの外国人顔。
…だけど違和感があった。
『…本当の姿を見せたら。』
「…ふふふふ…あは…あはははは!!」
『っ!…何…!』
「ふふふ、さすがだよ…さすがだ…僕の本当の姿を要求するなんて…ふふふふ…。」


