男装女子。FIRST SEASON






隼の肩を借りて、胸を借りて、私は泣き続けた。



あの時、泣くことも怒ることも出来なかった。



あれからもうすぐ、一年が経つ。



《ALICE》から逃げて、もうすぐ一年。



《牙狼》と《クラウン》に会って、もう半年以上。



時が経つのは早い。



でも傷は癒えなくて。



むしろ傷痕は大きくなって、深くなって。



それでも私は笑顔でいた。



それが私の使命だと思ったから。



影でこっそり、みんなを守って、



傷は抉られていく。



隼「…もう頑張らなくていいんだ。…お前はもう充分頑張った。…自分を犠牲にする必要はもうない。…俺が…俺たちがお前の分も背負ってやる。」



『…っ隼…。』



隼「…今は思う存分泣け。大丈夫だ、俺はここにいる。…一人でもう頑張らなくていいんだ。」



『っうわぁぁぁん…!!!』



鼻水垂らしながら泣いてる私はさぞ女子じゃなかったであろう。



でもそんな私を隼は優しく抱きしめてくれた。



『あり…がと……。』




















夢に、アイツが出てきた。



“よく、俺の約束を守ってくれたな。”



“ゴメンな、俺のワガママで、こんな目に合わせてしまった。”



“もう、我慢しなくていい。…お前の人生を歩め。”



“もう大丈夫だ。”



もしかしたら、これは私の作った幻覚で



早く解放されたくて、作ってしまったモノかもしれない。



でも、それでも、私は良かった。



直接、会いに来てくれて、もう大丈夫だって言ってくれたから。



『……あ…お…い…。』