男装女子。FIRST SEASON








隼「ああ。…それこそ解散する危機もあった。」



『え、嘘だー!!?』



隼「本当だ。」



『え…全然想像つかない…。』



隼「…まあ嘘だが。」



『嘘かよ!!!』



隼「……元気出たか?」



『…え…あ…イライラは消えた。』



隼「…良かった。」



『…全部、嘘?』



隼「全部じゃないが、グループの危機は無かった。」



『…まあ仲良いもんね。明るくて元気で賑やかで……たまに煩い。』



隼「それは思う。…が、楽しいだろ?」



『…まーね。』



隼「…俺には怖い過去は無い。…全部力に変えてきたから。…でも、中にはまだ癒えてない傷を持ってる奴がいる。」



『え…?』



隼は少し、辛そうな顔をした。



滅多に顔に出すことのない感情が、出てる。



隼「…お前が気付かなかいってことは、少しは癒えてたんだろうな。」



『え。』



隼「…明るくて、元気で、優しくて、強くて、凛とした姿勢と表情で、何でも一人で背負おうとしてる奴が…背が小さくて、本当は女で、でも頑張って守ろうとして…」



『……。』



隼「…そんなお前に救われた奴なんてそこら中にいる。…俺もその一人だ。」