男装女子。FIRST SEASON







『…ここか…。』



とりあえず布を見つけて腕に縛った。



…地下に行く階段はしっかりと開いてあった。



『…隼…出雲…都古ちゃん…?』



「…羽咲…?」



奥の方で声がした。多分…出雲…。



隼「ッ来るな!!」



『え?』







「…わあ…女の子だ…。」



ゾクリ…。



『!?』



背後に気配を感じた。



私はすぐに飛び退いた。



『…誰。』



「…ふふふ…君、強いんだね…。」



隼「羽咲…!危ない、逃げろ!!」



『え…?』



バキッ



『……ッく……。』



いきなりお腹に重い拳が入った。



本能的に咄嗟に動いたからか、少しの痛みで抑えられた。



「ふふ…君、イイねぇ…。ふふ…あはは…。」



『…ッ隼、出雲…!都古ちゃんと弟は?!』



出雲「大丈夫…ちゃんと逃がした。…みんなにも電話して…さっきツーコール来たから上手く合流したんだと思う…。」



『…良かった…二人は…大丈夫?動けr…ッ』



また拳が飛んできた。



『…ッ隼と出雲は早く逃げて!!』



隼「ダメだ。俺も殺る。」



『無茶言わないで!?』



出雲「僕も残る。」



『全然動けないでしょ!』



隼「………。」



『…全部一人では抱え込まないよ。…だから、応援を呼んできてくれると助かる。』



出雲「羽咲…。」



『大丈夫、捌ききれるから。』



バシッ



『ッ早く!!』



二人は素早く出口に向かった。



「…ふふふ…。君、強いね。」



『…貴方は殺し屋?』



「……ふふ。」



彼の拳を捌ききれるかどうか分からない…速くて重いから……。でもやるしかない。



…本能に任せるしか…ない…!




シュッ



バシッ



考えるな。考えると追いつかない…!



シュッ



バシッ



捌いているいると、途端に動きが止まった。



「………。」



…私はようやく、彼の顔を見れた。



『……顔キレイだね。』



「…よく言われるよ…ふふ。」



みんなに負けないくらいの美形だった。



まさかのイケメンに驚きを隠せないウサギ。