「大したもん作れねーよ。」


むすっとした表情で台所に立つ光の場違いさはもう笑えるほどだ。


「頑張れ〜。」


棒読みするわたしに、またもや苦い視線を送るあいつは、只今卵と睨めっこ中だ。


「完璧主義の光だもんねえー。もちろんすごーいもの、作ってくれるよねえ?」


ソファの上からのんきに圧をかけるわたしは、またもやご機嫌斜めの光に睨まれる。


「うっせえ。病人は黙ってろ。」


「びょ、病人って失礼な。病気じゃないですよーだ。」


わたしは絆創膏が貼られた手をひらひらさせる。

意外にも過保護な光は、わたしの擦り傷を見て料理人をうってかったものの、不機嫌度マックスだ。

かわいいな…なんてね。