いやっ、ちょっと待て!!

これはい・け・な・い場面なのでは??

仮にもわたし高校生!女子!彼、高校生!男子!同棲中!お風呂場!わたし、タンクトップと下着姿…あの、やばくないですか??


やっと状況を把握し、数分遅れてもう一度小さく悲鳴を上げてタオルで身を隠せば、光にいきなりタオルを取り上げられた。

男の力に敵うはずもなく、あっけなく白いタオルが宙に弧を描いてあいつの腕に収まった。


今ばかりは、まったくもってイケメンになんて見えない。ただの変質者だ。


こんな人を今さっきわたしは好きになったのか?前言撤回。


この人、天使でもなんでもない!!



DEVILだああああああ!!!



長い足で光はいとも簡単にわたしに迫ってくる。


「っね、ちょ、まって、ちょ!っ…。」


あっという間にお風呂場の扉まで追い詰められたわたしは、虚しくも凹凸のない体を両腕を交差して隠す。


まじで、なに!!!!!???


「見せろ。」


光の吐息が額にかかって、ぶるっと震える。

上目遣いに彼を見上げれば、光は少しだけ眉根を下げた。



「そこ、いてえか。」


光がさすのはわたしの腹の辺りだった。


「…ね、出て。」


わたしが軽く光の腕を押せば、光はそれを逆手にとって、わたしの腕を掴んだ。


「脱いで見せろ。」


わたしは思わず泣きそうな顔をしながら小さく微笑んだ、


「出て。」


光の手がタンクトップに触れたことで、わたしは思わず仰け反り返ろうとして、扉にぶつかり、そのままお風呂場に倒れこんだ。


ーパシャン!