「着替えろ。」


「いや、着替えてるし!」


「制服で行くのか、お前?」


「いいじゃん、別に。」


むうっと膨れて光を見れば、フッと鼻で笑われた。


「好きにしろ。」

「べ、別に好きにするし!」


今日、わたしは朝からずっと光に対抗している。

それはきっと、『体型子供』って朝起きた瞬間言われたからだと思う。


「ほら行くぞ。」

「い、行くし!」


また呆れたように笑われたから、イイ〜ってベロを出してあげた。

そしたら、キモ、って普通に言われて逆に傷ついた。


軽車のドアを開けてわたしを待ってるから、ん?って首をかしげれば、


「乗んねーのかよ。」


って眉根を寄せられた。


なるほど。光も紳士になっているのか、って、そう思ったら少し恥ずかしかった。


「運転できるの?」


そう聞けば、


「ああ。」


って答えたから、


「いや、運転免許はってこと。」


って言ったら、


「失礼きわまりねえな。あるに決まってんだろ。」


そう返されて、おっと、光は意外とちゃんとしてる?なんて思った。


「ねえ…。」


車を運転する光に問いかける、


「いつまで…いていいの?」

「……あ?」

「だ、だって…人の家にずっと居座るわけにはいかないし…。」

「お前の気が済むまでいればいーんじゃねえの?」