『はーい!』

「俺たち。入っていい?」

『どーぞどーぞぉ〜!』



……?

随分上機嫌だな……。


まあいつもうるさいけど、今日は割り増しで騒がしそうだ。


涼介が玄関を開けて、真人に続いて中に入る。


リビングに入って、すぐに雪の姿を探したけど、見当たらなかった。



「なぁ、雪は?」



なんでいない……?

心配になって、笹川と小泉に聞く。


すると、二人は何やらニヤニヤと口角の端を釣り上げ、少し離れた和室の方を見た。



「雪、出ておいで〜」



……ん?


不思議に思い、視線をそちらに向ける。


すると、襖からひょこっと顔を出した雪。

その姿は、いつもと違っていて、髪を後ろに一括りし、頭に小さなサンタの帽子のようなものを付けていた。