「ここに座って」
ドレッサーの前に座るよう指示され、大人しく腰を下ろす。
「今日は……和哉くんを驚かせてあげましょ」
「……和くんを?……どうやって?」
「ふふっ、あたしに任せなさい!」
ひ、瞳ちゃん、どうしてそんなに張り切ってるの……?
何が何だかわからないまま、私は瞳ちゃんにされるがまま、じっとしていた。
「さ、これ着てみて」
「え、ええっ……む、無理だよっ……!」
「いいから着るのよ!!!」
「は、はいっ……!」
あまりの迫力に、私に与えられた拒否権が無いことを受け入れた。
「……雪」
「……は、はい……」
「……サイッコーよ!!!!」
瞳ちゃんは、私の姿を上から下までまじまじと見つめた後、噛みしめるようにそう言った。

