「飾り付け終わったぞー!」
装飾担当の楓ちゃんが、そう言ってキッチンまで走ってきた。
「うん、私もそろそろ準備は終わりそう。あとは焼いたりするだけ」
「うわー、うまっそー!!」
並べられた料理を見て、楓ちゃんが目を輝かせている。
「二人とも、終わったの?」
奥の部屋で準備をしていた瞳ちゃんが、戻ってきた。
笑顔で頷いた私たちを見て、瞳ちゃんは何やら口角の端を吊り上げる。
……?
「ちょっと来なさい、雪」
「……え?」
なんだろう……?
不思議に思いながらも、瞳ちゃんに手招きされ、私は奥の部屋へと着いて行った。