「…できたっ」



どれくらい時間が経っただろう。



気がついた時には夕日は沈みかけていた。



ふと、飛鳥と目が合う。



「ふっ」



途端、飛鳥が吹き出すように笑った。



「お前ほんと変なやつだよなあ。
普通自分の絵になんかされたら怒るだろ。面白すぎ」



「っな!なんでよーー変じゃないし」



いつも通りの飛鳥だ。



今なら言える。



「あのさ、ごめんなさい。あの時、私飛鳥の気持ち少しも考えてなかった。ほんとにごめ」



「違う。お前は全然悪くない。俺が嫉妬しただけなんだよ」



私の言葉を遮って、飛鳥が話し出した。



「嫉妬って?」



「お前があの教師とうまくいったと思って、無性にイラついた」



上手く言葉の意味が伝わってこなくて、聞き返す。



「え、それ…どういうこと」



「さあな。自分で考えろ」



そう言って飛鳥は意地悪な笑みを浮かべる。



不覚にもドキッとしてしまう。



「な、なんで。教えてよ」



「今度な」



「ええーー、約束だからね?」



「おう」