麻奈の涙を拭いたあの日から1ヶ月が経った。



いつも通りに、麻奈と尚と何気ない日常を過ごしていた。



でも家に帰ってくると、そこには何気ない日常など残っていなかった。



家具のほとんどがなくなっていて、あちらこちらにダンボールだらけだった。



「お母さん、どういうこと?」



せっせと荷物をダンボールに詰めているお母さんに聞いた。



「あ、里緒おかえり。」



「そうじゃなくて...。」



「引っ越すことになったの。」